次世代のものづくりは人材の育成から澁谷ものづくり人材育成研究所

2016.12.06 平成28年度 大阪府職業能力開発異業種交流シンポジウムを開催

        

今後若者らがチャレンジできるものづくり現場を目指していくために、企業による新たな制度や仕組みへの取り組みが促進するよう、2016(平成28)年12月6日大阪科学技術センターにて「ものづくりとひとづくり」をテーマに、異業種交流シンポジウムを開催し、約130名が参加されました。


開催テーマ
『ものづくりとひとづくり』
− 基礎技能から暗黙知(勘・コツ)を次世代へ −
主 催
大阪府職業能力開発協会
一般財団法人澁谷ものづくり人材育成研究所         
後 援

大阪府

        

■第1部基調講演では、三井逸友氏(嘉悦大学大学院 ビジネス創造研究科 研究科長)に、「中小企業の今日の課題と『働き、稼ぐ力』」— 求められる仕事力とは – というテーマで下記のような内容のお話をいただきました。


sinpojiumu 三井逸友氏

・「稼ぐ力」には「創造」と「革新」が必須であり、さらに個々の企業だけではなく、新たな「ネットワーク」と「共創」が必要になってきている。 ・先の見えにくい時代に重要なのは、一人一人の持てる力、知識・知恵と経験の蓄積による「人間力」であり、人材力を育て、生かし、創造と発展ができる企業になること。
・日本のものづくりを支えるのは、優れた技術と技能の継承展開、「技能の技術化」「技能を踏まえた技術の継続的発展」があってこそ。
・これからますますグローバル化が進むので、中小企業といえども、多様性・異質性・開放性を持たなければならない。
・「暗黙知」の知識・経験・知恵を「形式知」として見える化し、現場での「問題解決」に生かせるようになってこそ「仕事力」が強化される。
・技術労働化した熟練者である「テクノワーカー」がマニュアル、ルーティンを超えた構想力・判断力・問題解決力を発揮する。この人材を作れないと日本の未来は無い。
・「学ぶ」「働く」「仕事力を身につける」には、なによりも主体的な意欲、そしてそれを支える「人生観」「価値観」「勤労観」が重要である。

■第2部のパネルディスカッションでは、大阪の元気な中小企業の代表として児玉義弘氏(株式会社コダマ 専務取締役)と松本裕介氏(株式会社三星 総務部課長)に事例発表をいただきました。進行は石田光男氏(同志社大学社会学部産業関係学科 教授)が務め、三井逸友氏がコメンテーターとして参加されました。

(1) 株式会社コダマの事例

sinpojiumu 株式会社コダマ 児玉義弘氏

株式会社コダマは大阪市生野区にあり、メッキ加工を事業とし、平成13年に設立、社員数40名の会社です。 ・2000年頃に事業が頭打ちとなり、他社差別化と価格競争力をもつために、それまでの装飾メッキから機能メッキへの転身を図る。東京の先発企業に学び、色々な仕組みを導入したが、そのとき人材育成をしてこなかったことに気づいた。 ・人材育成の柱の1つは「人間力」を高めること。もう1つは「仕事力」を高めること。そしてその基盤として、ビジョンと目標設定をすることが大事だと考えた。 ・新卒採用を毎年実施することを決め、会社説明会で会社の理念を説明し、それに共感してくれる情熱と対応力を持っている若者を採用し、育てている。 ・特色のある活動として、元気が出る朝礼、小冊子の輪読・発表、元気アップ委員会、コダマ塾委員会、改善提案などがある。 ・大阪で一番信頼されるメッキ屋になることを目標にし、QCサークル大阪大会で金賞を受賞。

(2)株式会社三星の事例

sinpojiumu 株式会社三星 松本裕介氏

株式会社三星は東大阪市にあり、建設・産業機器用の油圧機器の設計、製造、販売を事業とし、昭和33年に設立、社員数60名の会社です。 ・利益をアップするには、品質のアップが必須で、クレームを無くし、生産効率を上げ、グローバル競争を乗り切るには、人材育成をやらないと将来はないと気づいた。 ・会社の技能者の暗黙知が形成できておらず、人材育成が必要とはわかっていたが、やり方がわからなかった。 ・資格手当を支給することにし、社員と面接して数年先までのストリー作りを指導し、資格取得表を掲示することにした。 ・2級以上は自社内で教育する力がなかったので、「マイスター制度」を活用することにした。 ・マイスターはベテラン社員が解決できない技能の壁となる課題も、ほんのわずかな時間で解決策を提示する能力を示してくれ、社員の技能習得の意欲が向上した。 ・以前は営業が仕事を取って来ても、開発ができないと判断したらそれで終わっていたが、今は加工のメンバーが開発に対して解決策を提案する形に変わってきた。 ・個々人が高い目標を持ち、スキルアップすることが楽しくなり、ひいては自社の生産活動に大きく寄与するのが目に見えて分かるようになった。

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